ライフ

美容医療脱毛閉鎖の余波、「医療サービス」相談が都内で増加、前年の2.8倍に、アリシアやトイトイトイ、医療脱毛医院破たんの後に、東京都消費生活総合センターが2025年2月の状況を公開

美容医療脱毛閉鎖の余波が広がっている(写真/イメージマート)

美容医療脱毛閉鎖の余波が広がっている(写真/イメージマート)

 2025年2月、東京都に寄せられた消費者からの相談のうち、「医療サービス」の件数が急増していた。

 東京都消費生活総合センターが2025年5月に公表した。

前年と比べると2.8倍に

 同センターによれば、2月の相談件数は全体で2163件で、1月と比べて2.4%増加、前年1月と比べて1.2%増加だった。

 それに対して、医療サービスの相談件数は133件で、前月の70件と比べると90%増加となっていた。前年2月は48件だったので、2.8倍となった。

 大幅に増加した要因として、東京都はクリニックの破産手続きが影響したと説明している。次のように記載している。

 「一年前に医療脱毛の契約をしたクリニックが倒産したことを知った。全5回の医療脱毛コースを契約して全額支払い済みだが2回分が未施術なので、未施術分を返金してほしい。」等の相談が多く寄せられた。

 背景には2024年12月にアリシアクリニックが経営破たんしたことに加えて、2025年2月にトイトイトイクリニックも経営破たんしたことが影響したと考えられる。

 特にトイトイトイクリニックは、原宿、新宿、池袋で医療脱毛などを手掛けており、利用者が東京都を中心に関東に集中していたと見られる。東京都での相談が急増したのは、こうした経営破たんした美容クリニックの利用者が東京都に多かったためと見られる。

東京都での医療関連の相談多い

 2024年8月に東京都が公表した情報によれば、美容医療に関連した相談は2023年に前年の1.7倍となっていた。医療脱毛の解約トラブルが激増したからだった。

 一方で、2024年以降は、医療脱毛の経営破たんが続いたことから、解約ばかりではなく、経営破たんに伴う相談も増えていると予想される。件数も増加した可能性がある。

 また最近では美容クリニックの閉鎖が指摘されることもある。美容クリニックを利用する際には、このような状況を理解しておくことは重要だ。

参考文献

消費生活相談の受付状況と傾向(2月)

東京都の美容医療相談、23年は前年の1.7倍、医療脱毛解約トラブルが激増、男性の相談が目立つ、東京都が消費生活相談概要を発表

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンを食べようとしたらウジ虫が…》「来来亭」の異物混入騒動、専門家は“ニクバエ”と推察「チャーシューなどの動物性食材に惹かれやすい」
NEWSポストセブン
「ONK座談会」2002年開催時(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 長嶋一茂のヤクルト入りにカネやんが切り込む「なんで巨人は指名しなかったのよ。王、理由をいえ!」
週刊ポスト
タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン